福岡県筑後農林事務所の主催する、
「木造建築物完成・構造見学会」に参加し、
八女郡広川町の下広川小学校に行ってきました。
大規模建築物をはじめとした公共建築物等の
木材利用を推進するために開かれたこの見学会、
木造校舎の完成部分および構造軸組の両方が見られるよう、
3期工事の軸組隠蔽前の段階での開催でした。
児童の昇降口を入って天井を撮影。
奥は吹き抜けのある多目的ホールです。
建物のコンセプトが「ぬくもりある温かな空間」ということで、
内装や造作も木を前面に押し出しており柔らかい印象を受けました。
入口横の壁の模様は、広川町の名産の絣をモチーフにしたとのこと。
当然下足箱も木製で、サインまで木で揃えています。
廊下と手洗い流し。
角でケガをしないよう、面取りしてありました。
音楽室は構造材が表しとなっています。
壁の吸音板も当然のように木製。
図書室。良い空間です。
ここを使う児童たちが羨ましい。
中央は少し低くなっていますが、
カーペットの色を変えて事故防止策としています。
図書室の梁、中央に柱がなくて持つのかな。
あったら邪魔でしょうがないでしょうが。
図書室の外観です。
右は中央の塔屋の採光窓を中から見上げたところ。
職員室などの前の廊下は天井も杉の目透かし張りです。
天井点検口のふたも合わせてあります。
通常の授業を行う教室。
普段からなのか、夏休みで何か催しをしたのかわかりませんが、
僕が子どもの頃とは違った不思議な机の配置。
とか考えてたら、もっと不思議なものを発見。
すべての机と椅子の足をテニスボールで包んでいます。
教室から出入り出来るウッドデッキのベランダ。
こんな小洒落たものが小学校に!と衝撃でした。
ベランダを挟むように教室の前後に突出した空間。
前方は先生のスペースです。
ここの窓を避けるように筋かいが入っているようです。
キリがないので、続いて建築途中の校舎へ。
写真は音楽室窓から工事中の校舎を撮影したところ。
2階の様子。
柱も梁も部材断面が大きいですが、
何よりも筋かいのサイズに驚きました。
筋かいが大きいと、最終的に柱に強い引き抜き力が働きます。
柱の抜けを防ぐために柱脚部には頑丈な金物がありました。
天井には丸鋼ブレースでの補強。
柱梁の接合部にも大きな金物を使用しています。
平側の筋かい。
教室の前後のスペースがここにあたります。
先ほど触れたように、筋かいを避けた所に開口があり、
最終的に窓となります。