体育館耐震補強工事 -中井小学校-

中井小学校において施工した工程に沿って、
体育館の耐震補強工事について紹介します。

ここでは、天井鉄骨に補剛材の追加とブレースの追加を行い、
2Fのギャラリーには腰壁を新設して長手方向の剛性を増しています。

左が着工前、右が完了の写真です。
見比べて頂ければ補強箇所がわかるのではないでしょうか。
アリーナ着工前アリーナ完了

まずは天井鉄骨補強から。
上記写真に写っている入口側は鉄骨がむき出しですが、
反対のステージ側は天井裏に鉄骨が隠れているので、
そこまで足場が組めるよう天井を解体します。
天井撤去完了

新しく取付ける補剛材とぶつかる既設ブレースも撤去。
既設ブレース撤去既設ブレース撤去完了

原寸検査を受けて鉄骨部材を作成。
工場では、作成した部材の接合部を削ったり、
溶接しない部材に錆止めを塗布します。
工場加工工場錆止め

現場に搬入された鉄骨部材。
鉄骨部材搬入

工場での溶接に不備がないか、取付け前のチェック。
工場溶接部検査

塗装したまま溶接を行うと、中に空洞が出来る可能性があるので、
プレートを溶接する箇所の塗装を削り、溶接。
溶接部塗膜除去鉄骨溶接

こんな感じでプレートが取り付きました。
鉄骨溶接完了

ブレースの留めつけはTC高力ボルト締めなので、
1次締め、マーキング、本締めをして、
締め付け不良がないか全数チェックします。
本締め

現場での溶接に不備がないかの検査。
現場溶接部検査

補剛材も同様に取付け。
補剛材取付け1補剛材取付け2

各部材が取り付いたら、ターンバックルを締めて
適正な張りを持たせます。
ターンバックル締付

溶接部に錆止めを塗るところまでが鉄骨工事、
最後に塗装をしたり、周辺を補修して完了です。
鉄骨取付け完了

鉄骨着工前鉄骨塗装完了

続いて腰壁新設。
表面のモルタルは剥離することもあり構造体でないので
ハツリ取り、コンクリート表面に傷をつけて
付着を良くします。
床モルタルハツリハツリ目荒し

柱と床に接着系アンカーボルトを施工。
ピッチ(間隔)と本数をチェックします。
アンカー横向きアンカー下向き

今回の腰壁は両脇の柱をそれぞれ貫く補強筋が入ります。
耐震壁配筋

穴をあけ、鉄筋を入れて周囲を無収縮モルタルで充填。
コア抜きグラウト完了

抜けない様にダブルナットで締めつけます。

小学校なので(あまり立ち入らない2Fギャラリーとはいえ、)
転んでぶつける可能性があるので保護するものを探しました。
鋼製の半球しかサイズが合うものがなく、迷いましたが
それでもボルト先端がむき出しよりは安全かと市に提案し、
取付けました。
ナット締付キャップ

その後は通常のコンクリート構造物と同様に配筋型枠。

コンクリート打設はポンプ車で。
ポンプ車セットコンクリート打設状況

無事に打ち上がったら周辺を補修し、塗装して完了です。
出来形検測モルタル補修

左が着工前、右が完了となります。
腰壁着工前腰壁完了

以上が、体育館の天井鉄骨耐震補強工事と腰壁の新設の流れとなります。