中井小学校において施工した工程に沿って、
体育館の耐震補強工事について紹介します。
ここでは、天井鉄骨に補剛材の追加とブレースの追加を行い、
2Fのギャラリーには腰壁を新設して長手方向の剛性を増しています。
左が着工前、右が完了の写真です。
見比べて頂ければ補強箇所がわかるのではないでしょうか。
まずは天井鉄骨補強から。
上記写真に写っている入口側は鉄骨がむき出しですが、
反対のステージ側は天井裏に鉄骨が隠れているので、
そこまで足場が組めるよう天井を解体します。
原寸検査を受けて鉄骨部材を作成。
工場では、作成した部材の接合部を削ったり、
溶接しない部材に錆止めを塗布します。
塗装したまま溶接を行うと、中に空洞が出来る可能性があるので、
プレートを溶接する箇所の塗装を削り、溶接。
ブレースの留めつけはTC高力ボルト締めなので、
1次締め、マーキング、本締めをして、
締め付け不良がないか全数チェックします。
各部材が取り付いたら、ターンバックルを締めて
適正な張りを持たせます。
溶接部に錆止めを塗るところまでが鉄骨工事、
最後に塗装をしたり、周辺を補修して完了です。
続いて腰壁新設。
表面のモルタルは剥離することもあり構造体でないので
ハツリ取り、コンクリート表面に傷をつけて
付着を良くします。
柱と床に接着系アンカーボルトを施工。
ピッチ(間隔)と本数をチェックします。
抜けない様にダブルナットで締めつけます。
小学校なので(あまり立ち入らない2Fギャラリーとはいえ、)
転んでぶつける可能性があるので保護するものを探しました。
鋼製の半球しかサイズが合うものがなく、迷いましたが
それでもボルト先端がむき出しよりは安全かと市に提案し、
取付けました。
以上が、体育館の天井鉄骨耐震補強工事と腰壁の新設の流れとなります。