昨日で基礎のベース部の配筋及び型枠作業が終わりましたので、
そのチェックと写真撮影などを行いました。
15日の作業と、16日のチェックの2日分の基礎工事の様子をまとめます。
今回は鉄筋を現場加工しました。機械で曲げたり、カッターに付いているベンダーで手で曲げたり。
立上り部の鉄筋を組立て、ベース部の枠を捨てコンに打った墨に沿って留付けていきます。
レーザーでベース部の高さを出して印をつけ、墨で線を引きます。打設時にはこれを目印にします。
ここで話が逸れますが、
鉄筋コンクリート造は
- 座屈など脆いの変形がある鉄筋を、コンクリートで包むことで変形を防ぐ
- コンクリートは引張に弱いので、引張力に対しては鉄筋が担当する
- 鉄筋とコンクリートの線膨張率がほぼ等しく、温度に対して同量の変形をする
- 強アルカリのコンクリートで鉄筋を包むことで、鉄筋をサビから守る
など、相性が大変良い素材を組み合わせた構造です。
鉄筋コンクリート造の劣化として、経年によりコンクリートがアルカリから中性になり、内部の鉄筋がサビて膨らむ事によりコンクリートが押し出されて剥落する、通称”爆裂”という現象があります。
その爆裂を防ぐために、鉄筋のまわりのコンクリートの厚みには部位ごとに決まりがあるのです。
基礎の底面は、捨てコンをコンクリートと見なさずに6cm以上の厚みが必要ですので、その厚みを確保するためにスペーサー、通称サイコロの上に鉄筋を配置して6cmを確保します。この(コンクリート表面から鉄筋までの)厚みを”かぶり厚さ”と呼びます。
15日でベース部の作業が終わりました。立上り部と全景を撮影。
翌16日、職人さんは来ませんが、チェックの為に現場に。
鉄筋を結束する結束線や、枠を留付けた釘が落ちているので、磁石のピックアップで回収。今日は僕1人ですので自撮りです。
公共工事での配筋検査で良く指摘を受けるのですが、結束線が外に開いているというもの。結束線も鉄ですので、厳密にいうと先に述べたかぶり厚が確保出来ない、結束線を媒介にサビが進むという論点から、コンパクトに納めるように言われます。職人さんが気をつけてくれますが、出ている部分がありますのでチェックして納めました。
配筋が図面通りになっているか、継手長さ、ロールマークなど、適正な材料を適正に施工しているかを記録します。ロールマークは現場で使用したことを確認するために組んだところを撮影していますが、当然入荷時にも確認しています。
また、写真ではロールマークが白いですが、これは撮影用に色付けしているもので本来は特に着色されていません。撮影のためにマークを探すのも地味な苦労です。
本日は専門用語が多いですので最後に説明を。
継手長さ:鉄筋は4mや5mの長さが一般的ですが、それより長い通りに配筋する場合に、繋いだ鉄筋が一本であるように作用する為にお互いの鉄筋を決まった長さ(基本的には鉄筋径の40倍の)重ねること。D13の鉄筋では13×40=520が必要です。資格試験では、この倍率を覚えるのが難敵でした。
ロールマーク:規格に従った鉄筋であることを、製造元と併せて表示したもので、一定長さ毎に刻印があります。上の写真は共同製鋼㈱のSD295A、D10の鉄筋であることを示しています。一般的にはD16までがSD295A、D19以上はSD345で、D10の場合、Dが異径と呼ぶギザギザした形、10は概ねの直径を、SD295AやSD345のSDは鋼材の種類(この場合はコンクリート用棒鋼の異径)、数字は降伏点(鉄筋が壊れ始める力)を示しています。鉄骨の場合ではSS400などがあります。
長くなりましたが、本日はここまで。
翌月曜に配筋の検査を受け、問題がなく天気が良ければ午後からコンクリート打設の予定です。
まだ慣れないので、特に写真横並びのレイアウトが思い通りにならないのが辛い。見辛かったら申し訳ありません。勝手にタグが入ったりするのもよくわからん。