配筋検査と製材所見学 -関門都市霊園-

配筋検査
本日は基礎の配筋検査及び打設予定ですが、天気が午後から、かなり悪いようなので打設は延期にしました。

本日の設計者さんは、配筋検査の後に設備の業者さんとの打合せをし、今回お世話になる製材所に見学に行く予定です。
悪天候により午後からの現場作業がなくなりましたので、僕も打合せと見学に同行しました。

製材所伺ったのはうきは市の岩佐製材所。県産の耳納杉の使用の推進と自然乾燥にこだわった製材所です。
通常の木造建築の屋根の斜面は、垂木と呼ばれる長材を45cm程度ごとに並べて野地板を留め付け、瓦を並べていきます。しかし、今回の管理棟は、垂木を隙間なく敷き並べて板を用いず、かつ、天井を貼らずに下から垂木が見える計画になっています。見られる以上は質(力学的性質)だけでなく曲がったり反ったりなどの見栄えにも考慮した材料が必要になります。そんな都合の良い木材を、総数800本オーバーの垂木として調達するのは本当に悩ましいです。材木屋さんも、木材が沢山売れるぜヤッホー、と簡単に喜べない難題です。また、グリーン材と呼ばれる乾燥が完全に終わっていない材料を使用する予定ですが、建て込んだ後に反りや狂いなどの恐れが高いのであれば、AD材を使用するべきなのかもしれません。
この建物のキモである木の材料としての性質を、こだわりを持って製材されている岩佐製材所さんに直接教えて頂こうと今回の見学に繋がりました。

丸太だったり荒皮を剥いだものだったりを自然乾燥させています。野ざらしで、しかも雨降りの日に撮影して”乾燥”を謳うのは説得力がないですが、芯を含めた全体からの水分を飛ばすのが目的ですので、時々の降雨で表面が濡れる程度の湿気は大勢に影響がないようです。
荒皮

乾燥させた丸太からカットして更に乾燥。
長く置けば置くほど日焼けするので、一目瞭然です。
必要なサイズより大きく加工して乾燥させ、乾燥中にもネジレたり反りますので、
使用直前に更に必要サイズに加工するとのことです。
天然乾燥

説明製材や乾燥の工程、木材のことに関して丁寧に説明を頂きました。ベテランの説得力に設計者も惹きこまれています。打合せた結果、問題がないようですので垂木は予定通りグリーン材となりました。

切り出した材料の表面をプレーナー加工したものを見つけ、仕上がりの状態を手で確認します。今回の垂木材はプレーナー加工で仕上げることにしました。
プレーナー加工

ここだけの話し、設計者の方は良い物を造るのに貪欲です。この製材所の方を気に入られたようで、ここで床材も調達出来ないかと予定外の検討に入りました。
床材

生憎の天気でしたが、学校で習ったり、現場で見たり以上の事を学べました。
遅くまで付き合って頂いた製材所の方々に感謝です。

今日の用語
AD材:天然乾燥で6か月から1年ほど乾燥させたもの。手間とコスト高。
KD材:釜での人工乾燥。1ヶ月程度で、かつ自然乾燥よりも水分を飛ばせる。木の耐久性は落ちる。
グリーン材:AD材として完成される前に使用する材。含水率の定義はない。

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