耐震スリット -西門司小学校-

鉄筋コンクリート造の建物の耐震補強として、外付けブレースの設置・内付けブレースの設置・
耐震壁の新設または増打ち・耐震スリットの新設・梁の増打ち・柱の炭素繊維巻などがあります。

ここでは、西門司小学校において施工した工程に沿って、耐震スリットの新設について紹介します。
ハツリ完了

「腰壁に切り込みを入て柱と壁の縁を切る事で短柱となるのをふせぐ」、というのが今回の耐震スリットの施工内容と目的になりますが、これについて説明してみます。

耐震スリット

上の写真で見ると、赤線が階高=柱の長さですが、緑線の高さの腰壁がついています。
壁がある箇所は横方向の変形に強くなるので、外力を受けた際に変形する柱は紫の短柱としての長さとなります。

変形する範囲が小さくなったり、強くなったりと良いことのように感じますが、
1)部分的に強い箇所がある場合、その強い箇所に外力が集中する
2)短柱は脆い崩れ方をする
ことの2点が非常に危険なため、腰壁と柱を切って短柱となることをふせぐことが耐震補強となります。

大きい消しゴムに力をかけると簡単にたわみますが大きく変形します。これを小さい消しゴムにするとなかなか変形しませんが、たわむとすぐに裂けてしまう。こんな感じで短柱の危険性をイメージして頂ければと思います。
脆性破壊

という訳で施工の流れです。

スリットの位置は図面で指示されていますので、
実際に壁に位置出しをして鉄筋探査。
カットする部分に配管や配線がないかチェックします。
鉄筋探査

コア抜き
問題がなければスリットの施工。今回はスリットの上下をコア抜きし、表と裏からカッターで切り込みを入れてハツるという施工です。

図面通りの施工が出来ていることを確認。
寸法確認

構造的には鉄筋を切ってコンクリートを取り除いた時点で縁が切れるのですが、このままでは色々と差し障るので続いて復旧作業に。まずはカットした鉄筋に錆止めを塗ります。
防錆剤塗布

続いて、空けたスリットに防火材としてロックウールを詰めます。図面の仕様は1時間耐火です。
耐火材充填

ロックウールにシーリング剤が付かないようにバックアップを挿入し、シーリング剤充填。

バックアップ材充填シーリング充填

ヘラで押さえて完了。
この後、塗装をして周辺と同じように仕上げました。
完了

室内側も同様にシールして塗装です。
スリット室内側

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